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なんとかなるもんさー

意識レベルの低下している患者さんで,ルー卜類自己抜去の可能性が高いなど危険が予測される場合のコミュニケーション,またそのような状況での家族へのコミュニケーシヨンについて教えてください.

<意識レベルの低下とは>


意識レベルの低下とは.何らかの原因によって外界•内界からの刺激に対する反応が低下ないしは消失した状態をいいます.意識レペルの変化は.急性におこる病態や症状のひとつであり,さまざまな原因が考えられます.ながには体動が激しく.不穏な状態にある患者さんもいます.意識レベルの低下により緊急で入院した患者さんについては.看護する側も状況がわからないことが多く.アセスメントすることに時間を要することがあります.緊急事態であるために,救命活動に伴ろ診療の補助や治療の手助けをする必要があります.ゆえに.患者さんにとって意識レベルの変化は.さまざまな病態によって生じる危機的状況にあります.

 


患者さんは声をかけるとわずかに開眼したり.まったく無反応であったりします.つまり.外からの刺激を受け止められないばかりが.何も反応できないことが多いのです.外界の状況から適切な判断ができなくなると混乱や不安を引き起こすため.患者さんは社会的不適応状態であるだけでなく.危険な状態であるといえます.安全に気を配り.周りの環境を整えるなど身体アセスメントが必要です.

 


<POINT>

意識レベルの低下した患者は危機的状況にあり,社会的不適応状態でもある.安全に気を配り,身体アセスメントを行なう.


援助の際はていねいな声かけや説明を行なう.患者の理解度に合わせて適切に対応することが大切.


家族に対しては,患者の状態を受容し適応していく過程をサボ一卜する.

 

PETの検査の手順

検査は18F-FDGを静脈注射することから始まり.体内のWF-FDG分布が一定になる1時間後に断層撮影します.この待機中に運動すると.筋肉のプドウ糖消費が冗進するため.安静が必要です.□の周りにも筋肉があるので.会話もさけてもらいます.血糖値が上昇すると18F-FDGの取り込みに影響が出てくることから,食事や糖分の入つた飲み物は6時間以上中止してもらい.空腹時に検査を行ないます.また.糖尿病患者さんでも18F-FDGの取り込みに影響が出てくることがあります.

 

 

 

撮影時間は30分間ほどで.非侵襲的な痛みのない検査です.異常か否か判断がむずかしい場合には,時間をおいてがら変化があるか確かめるために2回撮影をすることがあります.外から放射線を当てるわけではないので,何回撮影をしても浴びる放射線の量は増えません

 

 

 

一般的に.18F-FDG PETで検出できる癌の大きさは1cm以上とされています.また,炎症細胞もフドウ糖代謝がさかんで.活動性の肺炎や肺結核などにも18F-FDGが取り込まれる場合があり.PETで描出されたものすべてが必ず癌というわけではありません.PETは癌の検出に非常に有効な検査ですが.プドウ糖の取り込みの低い癌もあるため.すべての癌が必ず検出できるわけではありません.また.FDGは尿から排出されるので.排尿ルートである腎臓•尿管•膀胱癌の判定が困難なことがあります.脳腫瘍は,保険適応にもなっている疾患のひとつですが.正常の脳はブドウ糖消費がさかんで18F-FDGが取り込まれることから.正常の脳と腫瘍の区別がつかないことがあります.これらの癌を正確に判断するためには.腫瘍マ一力一.超音波.CT. MRIなどを組み合わせ.どこの臓器にどのくらいの大きさの癌があるかなど.多くの情報が得る必要があります.最近ではPETとCTを同時に検査できるPET/CTが開発され.PETとCTを合体させた画像を作成することができるようになってきました.

 

 

 

公式に出された統計ではありませんが.従来の健康診断の癌発見率が0.1〜0.396であるのに対し.PET検診ではおよそ1〜296に癌が発見されています.最近では健康保険が適応となり.広く検査されるようになってきましたが.適応される疾患は限られています.

内臓脂肪が蓄積すると

最近.「内臓脂肪型肥満」に「血圧がちょっと高め」「血糖値がやや高め」「血中脂質が少し高め」という複数の危険因子が集積されると.動脈硬化の危険性がいっそう高まることがわかってきました.

まず.内臓脂肪の蓄積がどのように動脈硬化を進行させるのかについて述べます.

 

 

内臓胞肪を構成する胞肪細胞には.大きく分けて2つのはたらきがあります.ひとつは.内で余ったエネルギーを蓄える珩蔵庫としての役割です.もラひとつ近年わがってきたのが.アディボサイトカインとよばれる.体に対してさまざまなはたらきをもつ物質の分泌という役割です.アディポサイト力インには善玉と悪玉があり.通常では両者が均衡しています.ところが.内臓脂肪が蓄積されると.その分泌に異常が生じ.体のさまざまな機能に影響が及ぶのです.

 

まず.内臓脂肪が蓄積されると.血液中の糖を細胞に取り込むときに必要なインスリンのはたらきを弱める悪玉のTNF-αが分泌されます.一方.インスリンのはたらきを高める善玉のアディポネクチンの分泌が減ります.すると.インスリンのはたらきが低下し.血液中の糖をうまく処理できなくなります(インリン抵抗性).善玉のアディポネクチンには.血管壁を修復して血管を健康に保つはたらきもあるため.アディポネクチンの分泌量の低下は.動脈硬化の直接の原因にもなります.

 

 

ナイチンゲール文献の概要と『看護覚え書』の価値

いずれにしても、手稿文献の量はたいへんなものです。バインダーの中には、ナイチンゲールが一人の看護婦と四百枚を超える書簡のやりとりをしていたことがわかるものもあって、これらの書簡が翻訳されることにでもなれば、ナイチンゲールの看護に向かう情熱や思いが、今よりもさらに鮮明に伝わつてくることは間違いないことです。こうした数々の事実をナイチンゲ-ル研究の視点でとらえ直せば、汲み尽くせないほどの量が存在することに気づかされるのです。

 

 

 

 

ところが何とも不思議なことに、世界中の看護婦たちは、長い間このナイチンゲール文献の存在を無視し、看護の研究対象として考えることはありませんでした。読もうと思えばいつでも、誰でも、簡単に目を通すことができるのに、英国やアメリカなど英語圏の国々でさえ、ナイチンゲール文献の概要を知って、自らこうした文献をひもとこうとした看護婦は、ほんのわずかしかいませんでした。

 

 

 

 

先にも述べましたが、結局ナイチンゲール文書が最も有効に活用されたのは、伝記作家たちによってでした。したがって、ナイチンゲールの評価は、主に伝記の中においてなされたものであり、ナイチンゲール自身が看護について書き記したその思想については、ほとんど触れられずに経過してしまったのです。

 

 

 

 

むしろナイチンゲールのイメージは、彼女が意図した内容とはかけ離れて削られ、広げられてきているように思われます。そして現在の看護界では一般に、ナイチンゲールが創設した看護は、すでに時代の進展の中で乗り超えて進んできていると信じられています。果たして、そうなのでしようか?ナイチンゲールが書いた文献をほとんど解読しないで、ナイチンゲールが本当にわかったとか、古いなどと言えるのでしようか?

 

 

 

私が〈今、なぜナイチンゲールなのか〉と説く理由の一つは、正にここにあります。少なくとも百五十編の印刷文献のうち、代表的なものを読みこなし、さらに手稿文献にも目を通した上で、ナイチンゲールが残した看護思想の内容を明らかにするまでは、私たちはすでにナイチンゲールを乗り超えたと言明するわけにはいかないでしよう。

 

その他ステロイド免疫抑制薬投与中の患者,癌患者の院内感染対策

炎症性腸疾患の治療ではステロイド免疫抑制剤が投与される

 

ことが多く.これらの薬剤によりリンパ球が減少しウイルスに感染し

 

やすくなります.また癌患者でも癌の進行とともにリンパ球の減少が

 

みられることがあり.抗癌剤を投与された患者さんでは.リンパ球が著

 

しく減少します.つまり.癌患者ではリンパ球減少に伴い免疫能が低下

 

するため.ウイルスに感染しやすい状態となります.このような状態で

 

の感染対策は.易感染状態にある患者さんに対し手指衛生,離床する

 

際のサージカルマスク着用をうながすことです.

 

 

 

 

VZVなどは.免疫能の低下に伴い帯状疱疹となって現れることがありま

 

す.この場合の感染対策は接触予防策ですが.曝露患者が水痘に感受性

 

がある場合は水痘発病のリスクが生じるため.患者さんの配置につい

 

ても十分考慮する必要があります.全入院患者について麻しん.風しん

 

水痘.百日咳の罹患歴とワクチン接種歴を把握しておくことも重要す.

 

 

 

 

POINT

 

 

1,発病者は隔離し,症状が消失しても48時間は隔離することが望ましい.

 

2,患者のふれた環境は清掃後に消毒を行ない,徹底的に清浄化する.

 

3,ノロウイルスに対しては,次亜塩素酸ナトリウムでの消毒が必要.

 

4,曝露者(患者・職員)については,軽微であっても症状の変化に十分注意する.    

 

「気概なき良心」は可能か

医師にしろ看護師にしろ、医療者といってもそこにはいろんな人間性の人が働いてい

ます。数が増えれば増えるほど、質の低下が懸念されるのはどの世界も一緒。看護師

にしろ医師にしろ、多くの人が働くようになれば、いい人も変な人も数としては増え

てしまうのです。

 

 

 

 

それでも、普通の感覚をクリアしている人ならば、そこそこプロとして良心をもつて

働こうとするでしよう。しかしその良心をもちつづけるのもたいへんな状況になって

いるのも確かです。

 

 

 

 

医師がすべてを仕切る代わりに實任も全面的に負った時代であれば、〈医師たるもの

は斯くあるべし〉という精神論も多少は意味をもつたかもしれません。しかし、「医

療の主役は患者」の世の中では、医療者はあくまで患者の自己決定をサボートする役

回り。こうした気概はむしろ患者にとつても迷惑なものでしょう。

 

 

 

 

その気概なしに、どう医療者が〈良心〉を維持するのか。その新しい時代の職業倫理

を構築するためにも、昔ながらの〈医療者は人格者であるべき〉論は見直されなけれ

ばなりません。

 

 

 

 

権威を剥奪しておいて、その権威と引き替えに引き受けていた精神論だけを求めるの

は、それはそれで調子がいいでしょう。これからの医療者は、ものすごく立派でもな

い代わりに、非常識でもない。そんな人が増えていくんじやないかな。

 

 

 

私としては、それで十分だと思つているんですけど。

 

百五十編もの印刷文献と一万点を超す手稿文献の存在

ナイチンゲールの生涯は、九十年という長きにわたるものでしたが、看護界を含めて

世界の人々に評価されている業績といえば、一般的にはクリミア戦争における活躍ぶ

りと、近代看護制度の樹立者という点に絞られているように思われます。

 

 

 

 

ところが、ナイチンゲールの生涯の中で、最も重要視されなければならない事柄が忘

れ去られていたのです。それは、クリミアから帰還した後の約四十年間という年月を

かけて書き上げられた、彪大な著作群の存在についてです。現時点において残されて

いるものは、印刷された文献で約百五十点、さらに手書き文献に至っては、一万ニ千

点ともニ万点とも言われています。歴史に残る著明な人物は数知れませんが、これほ

どの量の著作を書いた人はそれほど多くはないはずです。しかも、特に印刷文献の大

部分は、ナイチンゲールの死後、大英博物館に収められましたから、ほとんどが紛失

を免れて保存されているのです。

 

 

 

 

この百五十点の印刷文献の全容については、ビショップという人物を通してすでに紹

介されていますから、現在ではかなり詳しく理解することができるようになりまし

た。しかし、書簡を中心とした手書き文献に関しては、まだまだ分散しているものも

多く、全容を明らかにするには困難が伴うようです。それでも、私が大英博物館に行

って見てきた限りでいえば、手稿文献はフオリオ版と言われる大きさの、厚さ十セン

チほどもあるバインダーに、なんと百六十五卷も収められているのです。

 

 

 

 

蛇足ですが〈スチユーデント・ルーム・オブ・マニユスクリブツ〉といわれる特別室

に入って、図書室所蔵のカタログに目を通しますと、かつて三人のイギリス人がこれ

らの書簡を引用してそれぞれの〈ナイチンゲール伝〉を編んだことが記されていまし

た。その三人とは、Sir. EdwardCookと、Mrs. I. B.OMalleyそれにMrs,Woodham-smithで

す。彼らの編んだ伝記が最も正確に生きたナイチンゲールを伝えていると言われる所

以はここにあるのでしよう。